2012年03月07日

デリケートな問題


こんな記事を書いたら、また誰かの逆鱗に触れて、糾弾されるのかもしれないけど、、、


今日起こった、悩ましい出来事を記録しておこうと思って書いています。


答えは私の中でも揺れているから、、、


***********************

用事で訪ねた先で、


『被災瓦礫受け入れに賛成か反対か?』


と突然聞かれて驚いた。


『西伊豆町は受け入れに動いているんだよ。』


と、彼女は言う。

知らなかった。


今日の議会でその問題が取り上げられるから、彼女のご主人は聞きに行っているのだそう。


この間の島田市と、自治会の決断は、素晴らしいことだなと個人的に思っていた。

あの、凄惨で恐ろしい瓦礫が早く片付いた方が良いと思っていたから。


そんな私の言葉で、彼女の顔色が変わった。


『チェルノブイリでさえ、瓦礫は全く動かさなかったし、阪神大震災の瓦礫も今回の震災と同じ位の量だったのに、地元で処理ができた。』

と、例を挙げる。


でも、今もあそこに住んでいる人達の痛みも、分かち合わないと、、、


と言うと、


『それは、“恐ろしい日本人的な考え方”で、間違っている。』

と、熱を込めて話す。


『日本中に放射線物質をばらまくのではなく、被災地に処理場を作って雇用を生むのが、彼らへの支援になるのではないか?

彼らが、夏に泳げるよう受け入れてやれるように、汚染が少ないと言われている西伊豆町という観光地は、綺麗なままであるべきだ。

それが、西伊豆町がするべき支援だと思う。

そんな場所に、持ち込むのは筋違いで断固反対だ。』

と、私に説く。


もっともだと思う。

処理場ができて、雇用が生まれるなら、それもいい。
急がないのであれば、、、

『じゃあ、瓦礫受け入れ賛成なんだね?


それが原因で、あなたの子どもや孫が病気になっても構わないの?

怖くないの?』


あんまり怖くないんだ。

だって、もっと恐ろしい毒物や放射線物質をすでに口に入れているかもしれないし、、、


と本音をこぼしたら、彼女の顔が落胆の色に変わった。

同じように小さな子どもを持つ母親として、すぐに共感してくれるだろうと思っていたのだろう。


『怖くない?

それはなぜ?』


と聞かれたけど、なぜだか怖くないのが本音なのだ。

私は死ぬことを怖れていない。

怖れていても、どんなに良い人であっても、ある日突然死は理不尽に訪れると知っている。


もちろん、愛する家族が亡くなることは恐ろしい。


だけど、地球全体を見れば、今世界中で苦しんでいる人も、身内と同じ『家族』なのだと、今回の震災は教えてくれたのだと思う。


あの時、

今テレビの中で泣いている、あの知らない誰かの為に何ができるだろうか?


と、みんなが思ったはず。


『国や行政や東電が、責任をとるべきところを、なぜ他の者が負担を強いられなければならないのか!』


がっかりさせたせいで、尚さら強くなる彼女の語気と反比例するように、私の耳は遠くなり、彼女の口が動いているのをぼんやり眺めていた。


反対、賛成で町が二分して、私もひどく傷つけられた“アスベスト問題”のことを、思いだしていた。


あぁ、、、

未来の西伊豆を誰か見せてくれたらいいのに、、、


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Posted by たんたん at 15:47 │大事なこと
この記事へのコメント
こどもたちのためにも考えていかなければいけないことですね。
でもこの記事を書いたからといって、たんたんさんが糾弾される筋合いはまったくないですよ。
たんたんさんは一つの意見を示しただけなんだから。
私もたんたんさんと同じ意見だけど、健康被害とかもっと勉強しなければいけないなあと思いました。
Posted by ソフィアパパ at 2012年03月07日 17:53
それこそ、デリケートで勉強しないといけない問題だね。
静岡県は岩手県の瓦礫を受け入れることにあたり、
いろいろな議論が今現在なされているね。
震災→原発事故→放射能→東北全体が汚染されているというイメージを持つ人がいるのも事実だからね、
これはすごく怖いことだよね。
瓦礫を受け入れることにあたり、いくつものチェック機能を準備しているみたいだし…
復興に向かい仮説住宅に住む人達の周りに瓦礫があればその分復興が遅れる、
東北に今すぐ処理場ができれば…そんな現実的じゃないことも簡単に言えない。
例えば、原発全部止めて明日からすべての電力を賄うみたいな…
東北岩手県の、あの光景を現実的にちゃんと受け止めることが今は大事なんだろうね。
同じ日本人として…
たんたん達ファミリーが、??になったり、苦しんでほしくないです。
何かあったらいつでも言って下さい。
Posted by biro (居山博人) at 2012年03月07日 22:18
たんたんさん、こんばんは。

あの海の近くの中部電力が、もし今の原発と同じ事になったとしたら、
今反対している方々と同じ事を、他の県の人に言われたとしたら
私たちはその時どう思うのかしら。
今の自分達さえよければ、それでいいのかしら。

静岡県東部は、東京電力から供給を受けているのに。
困っている人たちを助けないで、
ここにある手をさしのべないで、
本当にそれで自分を許せるのかしら。

悲しい・・・
Posted by masa at 2012年03月08日 18:46
***ソフィアパパさん***

本当ですね、、、
勉強しないといけないですよね?

けれど、誰にもこの先どうなるのかわからないことを、勉強できないのが悩ましいですよね?
Posted by たんたん at 2012年03月08日 23:08
***biroちゃん***

いや!ご無沙汰してます。
何ヵ月会ってないかな?
去年から?( ̄□ ̄;)!!

元気ですか?

今回、そんな計画があるとは全然知らなくて、彼女達のように、すでに活動を始めている人達がいるのも知らなくて、正直驚きました。

彼女の話は、この瓦礫は『確実に汚染されている』ということが前提だったので、どうもしっくり来なくて、、、

あぁ、賛成なんだ!

って失望の眼差しを向けられた時、YESかNO、二者択一でないといけないという考え方が恐いなあ、、、って感じました。


アスベストと選挙の騒動で、人がどれだけ豹変していくのか痛烈に知ったから、今回のことは本当に懸念してます。

彼女も、私との付き合い方を変えてしまうかもなあ、、、


誰にも正解がわからないことを、どちらかに決めろというのは、本当に難しいね。

感情論で考えてはいけないのかもしれないけど、地球家族として、今回のことを受けとめたいと考えているのは自分でもわかっています。
Posted by たんたん at 2012年03月08日 23:24
***masaさん***

お父ちゃんも、masaさんとおんなじこと言ってた。

だから嬉しいです。

あの町の子ども達のこと、小学生新聞や柔道着のことで良く知っているから、彼らの町が早く復興するお手伝いができるなら、嬉しいなあと単純に思ったのでした。

『確実に汚染されている瓦礫』

ならば、今もなお、その瓦礫の傍で暮らし続けている彼らは、一体、、、

あぁ、難しいね、、、
Posted by たんたん at 2012年03月08日 23:32
難しい問題。だからずっと考えてました・・。

『自分の今の生活を脅かされたくない』
『子供の健康を守りたい』というのは誰しも同じだと思う。

でも、少しでも復興のお役にたてるなら・・。

狭い日本、原発と無縁なんて土地はないのでは?と思う。
だからこそ、今回のことを自分の身に置き換えて考えたら、
何をするべきなのか・・はおのずと見えてくると思うけど・・。

人それぞれ、いろんな考えを持っているから『何が正解』
とはいえないですね・・。
Posted by あんちゃん at 2012年03月09日 08:38
***あんちゃんさん***

そうなんだよね?

私たちも、いつあんな災害に見舞われるかわからない土地に住んでいるのに、知らぬ存ぜぬではつれない気がします。

ずっとずっと、辛い思いをしている人たちの負担を少しでも減らしてあげたいと、ただそれだけを思うのです。

同じ距離にある東京は喜んで出かけて、遊んで食べて、飲んだりするのに、どうして被災地はだめなのかな?
Posted by たんたん at 2012年03月10日 21:25

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