パンの移動販売

仕事をしていたら、駐車場に黒い軽自動車が停まった。

私と同じくらいの年の女性が下りてきて、
「パンの移動販売ですが、いかがですか？」

その女性の手作りかな？と期待して中を覗かしてもらうと、
いっぱい並んでいるのは、工場製のパンでした。

「全国展開している、移動販売のパン屋なんです。」

ふ～ん。
そんな売り方している、大きな会社があるんだ。

せっかくなので、買わせてもらった。




特段目新しいパンでも、おいしいパンでもないし、
コンビニのパン同様、添加物一杯のパンだったけど、
すごく柔らかくて甘いので、ここのような過疎地のお年寄り
の食事にはいいかもなーと、感じました。

どこからいらしたんですか？と尋ねると、
沼津からとおっしゃった。
そんな遠くから、、、


「毎朝、その日焼きたてのパンが、掛川から届くんです。」

全国展開ってことは、このパンも歩合ってこと？

「そうです。
売れ残ったら、
私が買い取らなくてはいけません。」

キビシイな～

そう言えば紫苑さんも、昔こうして車にパンを載せて
走り回っていたな～

でも、苦労して今ではお家もお店も構えたもんね。

この女性がパン屋になりたいと思ってやっている
とは思わなかったけど、知らないところへ行商しに
行くって、大変だろうなと思った。

頑張ってほしいなと思いながら、おやつにパンを頬張った。