2010年03月06日

家族写真

家族写真

今日の午前中は、若いご夫婦がお越しになりました。

誕生死のお子さんのお位牌のご相談にみえたのです。

挨拶をして、ではどういうデザインをご希望ですか?と
尋ねながら進めていくと、ご主人が自然に、お子さんを
どういう経緯で亡くしたのかを話してくださいました。


「実は先月の、、、」

と、ご主人の口から言葉が出たとたん、奥様はもう涙が
ポタポタと止まらず、私も思わず泣いてしまいました。

破水して、陣痛促進剤を打ち、陣痛に耐えたのですが、
なかなか生まれてこず、「ちょっと休みましょう」と
いう流れになったころ、今度はお腹の中の赤ちゃんに
異変が起こり、急きょ帝王切開を試みたのですが
すでに遅かったのだそうです。

私も、お兄ちゃんの時に同じように前期破水で促進剤を
打ったので、どんなに陣痛が苦しいか知っています。

苦しい思いをした後、手術して、赤ちゃんの泣き声が
聞けなかったなんて、本当に辛すぎます。


お写真を見せてくださいました。

実は、こんなにお位牌を作っている私ですが、
天使ちゃんの写真を見せていただくのは初めてです。

唇が紫色にはなっていましたが、本当に眠って
いるような、丸々とふっくらとしたかわいい男の子でした。

誰もが子どもの誕生の時に病院で撮ってもらうのと同じように、
ママに抱っこされて、パパも写真に入るように
横から顔をのぞかせて、3人一緒の写真。

だけど、ママもパパも目を真っ赤にして泣いています。

「こんなに大きかったんだね~
もうちょっとだったね~」

と、思わずつぶやいてしまいました。

「パパそっくりですね!」

と言うと、うれしそうに笑ってくれました。

アルバムをめくると、次の次の写真は、さっきと
同じ3人の写真でしたが、今度はパパもママも
微笑んでいます。
とっても素敵な笑顔で、赤ちゃんも微笑んでいる
ように見えました。

3人一緒に笑う初めての写真が、3人一緒に笑う最後の写真。

気づくと、パパも泣いていました。
3人で涙を拭いて、デザインの話に入りました。

オレンジ色と、青を使いたいと、パパの希望。

元気なイメージにしたいとおっしゃるので、だったら
暖色系に絞って、進めては?と言う提案を呑んでくださいました。

レモン色と、オレンジをチョイスして、どんな風がいいか、
簡単なスケッチをお見せしました。

とりあえずやってみて、気に入らなければ、また
違う取り合わせでやりましょうということになりました。

香炉も合わせて頼みたいとおっしゃったので、
これも色を選んでくださいとお願いしました。

どうしようか、、、何色がいいかな?

とお二人で悩んでいました。

台の形もこんなのもあるんですよと、ご提案すると
パパが

「俺にはわからないから、こういうのは、ママに、、、」

と、奥様に振りました。

生身のお子さんのパパとママにはなれなかったけど、
ちゃんと天使ちゃんのパパとママなんだなと、とても
感動しました。

きっと、またいつかお子さんに「パパ!ママ!」と
呼んでもらえる日が来るといいなと思いました。

1時間以上にわたって、あれこれご相談しました。

帰り際、ご主人がふと思い出したように話してくださいました。

「手術中、控室にいたんです。
そしたら、手術室から「ギャー」って鳴き声が
聞こえたんで(あ!生まれたかな?)って思ったんです。

後で聞いたら、「そんな声、上げてない」って言われて、、、」

誕生死ですから、赤ちゃんは産声を上げるはずがありません。

だけど、きっとパパに「生まれたよ!」って知らせたかったんですね。


自分たちの赤ちゃんが、生まれてくることだけしか
考えていなかっただろうお二人。

今はただ、悲しみと苦しみを2人で乗り越えようとする
愛の深さを、去っていくお二人の背中に見ました。



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Posted by たんたん at 23:02 │まわりでの出来事
この記事へのコメント
かわいい天使の翼で元気にはばたいて
Posted by 横浜かえる at 2010年03月07日 00:11
誕生死って 気の毒すぎるよね。

たんたんの文を読みながら、あっくんが駐車場で産まれた時のことが

鮮明に思い出されて 怖くなってしまったよ。
Posted by daipapa at 2010年03月07日 04:42
ブログでこんなに泣けたのは初めてでした。
人に言えないことっていろいろあるからね。
今の自分のおかれた環境に心から感謝することができました。
Posted by イーラパーク 神南臣之輔 at 2010年03月07日 16:20
先月なんて、まだ傷が癒えていないでしょうママさんとパパさん。
どうしてなんだろう??とママさんは自分を責めていなかったでしょうか。
お二人にしかその重みは分からないですが、
きっと天使くんはママのお腹で過ごした10か月、
とっても居心地良く幸せだったと思います。

最近は天使くんたちの本やブログを読むことが多くなりました。
どうしてママのお腹にやってきたのだろう?
どうして産まれずにしていなくなってしまうのだろう?
でも少なくとも、ママやパパと一緒に過ごした時間は大切な愛の証なのだと思います。
天使くんのご冥福をお祈りいたします。
Posted by ソフィアパパソフィアパパ at 2010年03月07日 21:23
***横浜かえるさん***

本当にそうであるといいです!
パパもママも、解き放たれて、自由に
はばたけるように!

***daipapaさん***

そうだったね~
その1ヶ月後にジャミラを産む私が、その話を
聞いて震え上がったもの、、、

恐れたとおり、船原で本当に生まれそうになって
あっくんのことよぎったよ。
無事に生まれてくることは、本当に奇跡だと
思います。
赤ちゃんが生まれてくるのが当たり前なんて、もう思いません。

***神南さん***

自分に子どもがいると、尚更置き換えて考えてしまいます。
あんなに感動的な瞬間が、一転するなんて、、、

私の周りにも、同じ悲しみを背負った方がいます。
本当にたくさん。

道ですれ違う知らない人も、私の知らない苦労や
悲しみを背負って、頑張って生きているんでしょうね。

***ソフィアパパさん***

ああ、ママさんが、そんな風に自分を責めていないことを
願います。

天使ちゃんのお顔は、本当に穏やかで、清らかでした。
この10か月は、本当に家族だったのだと思います。
それは、お二人の様子を見て強く感じました。
そして、これからも、、、

どうして生まれてこなかったのか、、、

はるどんママさんが、この間本で読んだと教えてくれました。

「生まれてこなかった子は、とても高いステージの魂を
持っていて、この低いステージの地上では生きられない!と
天国へ帰って行ってしまうのだ。

魂が清らか過ぎて、ここでは暮らせないから。」

と、、、、

人は、修行をするために地上に生まれると聞きました。
より良い人になるために。

それが必要のない子は、ここへ来なくてもいいというのは
理にかなっているような気がしました。

それでもやっぱり、悲しくて辛いことです。
こんな辛い思いを残していかなくてもいいのに、、、
Posted by たんたんたんたん at 2010年03月07日 22:37

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