デリケートな問題

たんたん

2012年03月07日 15:47


こんな記事を書いたら、また誰かの逆鱗に触れて、糾弾されるのかもしれないけど、、、


今日起こった、悩ましい出来事を記録しておこうと思って書いています。


答えは私の中でも揺れているから、、、


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用事で訪ねた先で、


『被災瓦礫受け入れに賛成か反対か?』


と突然聞かれて驚いた。


『西伊豆町は受け入れに動いているんだよ。』


と、彼女は言う。

知らなかった。


今日の議会でその問題が取り上げられるから、彼女のご主人は聞きに行っているのだそう。


この間の島田市と、自治会の決断は、素晴らしいことだなと個人的に思っていた。

あの、凄惨で恐ろしい瓦礫が早く片付いた方が良いと思っていたから。


そんな私の言葉で、彼女の顔色が変わった。


『チェルノブイリでさえ、瓦礫は全く動かさなかったし、阪神大震災の瓦礫も今回の震災と同じ位の量だったのに、地元で処理ができた。』

と、例を挙げる。


でも、今もあそこに住んでいる人達の痛みも、分かち合わないと、、、


と言うと、


『それは、“恐ろしい日本人的な考え方”で、間違っている。』

と、熱を込めて話す。


『日本中に放射線物質をばらまくのではなく、被災地に処理場を作って雇用を生むのが、彼らへの支援になるのではないか?

彼らが、夏に泳げるよう受け入れてやれるように、汚染が少ないと言われている西伊豆町という観光地は、綺麗なままであるべきだ。

それが、西伊豆町がするべき支援だと思う。

そんな場所に、持ち込むのは筋違いで断固反対だ。』

と、私に説く。


もっともだと思う。

処理場ができて、雇用が生まれるなら、それもいい。
急がないのであれば、、、

『じゃあ、瓦礫受け入れ賛成なんだね?


それが原因で、あなたの子どもや孫が病気になっても構わないの?

怖くないの?』


あんまり怖くないんだ。

だって、もっと恐ろしい毒物や放射線物質をすでに口に入れているかもしれないし、、、


と本音をこぼしたら、彼女の顔が落胆の色に変わった。

同じように小さな子どもを持つ母親として、すぐに共感してくれるだろうと思っていたのだろう。


『怖くない?

それはなぜ?』


と聞かれたけど、なぜだか怖くないのが本音なのだ。

私は死ぬことを怖れていない。

怖れていても、どんなに良い人であっても、ある日突然死は理不尽に訪れると知っている。


もちろん、愛する家族が亡くなることは恐ろしい。


だけど、地球全体を見れば、今世界中で苦しんでいる人も、身内と同じ『家族』なのだと、今回の震災は教えてくれたのだと思う。


あの時、

今テレビの中で泣いている、あの知らない誰かの為に何ができるだろうか?


と、みんなが思ったはず。


『国や行政や東電が、責任をとるべきところを、なぜ他の者が負担を強いられなければならないのか!』


がっかりさせたせいで、尚さら強くなる彼女の語気と反比例するように、私の耳は遠くなり、彼女の口が動いているのをぼんやり眺めていた。


反対、賛成で町が二分して、私もひどく傷つけられた“アスベスト問題”のことを、思いだしていた。


あぁ、、、

未来の西伊豆を誰か見せてくれたらいいのに、、、

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