寒くて暖かいはなし~その3
その1
その2に続き、、、
何とか、無事にチェーンを装着した我々は、一路
松崎へ向かいます。
とうとう、前方は動けなくなった車だらけ。
その横をシルバー君は時速20キロで、ちゃんと走っています。
「ああ、良かったね~おじいさん。
今夜はあそこで夜を明かすかと、心細かったのよ。」
と、後ろに座ったおばあさんが、うれしそうに言いました。
携帯も持っていないし、私に声をかけるまで、
30分くらい車の中で途方にくれていたそうです。
本当に助かった、ありがとう、ありがとう、、、と
何度も言っていましたが、私はちょっと早いけど
どうせ、ジャミラ君を保育園へお迎えに行くついでが
あるので、気にしないで下さいと、これも何度も
話しました。
土肥方面へ出たら、すぐに道路に雪はなくなり、
路肩でチェーンを外して、今度は軽快に走りました。
私も、無事に峠を越えることができて本当に
うれしかったので、おじいさんたちとの会話を
楽しみました。
今日は、おばあさんの眼のお医者さんへ大仁まで
出かけたこと、松崎で桜葉の漬物を作っていることや、
お孫さんの話や、果ては政治の話まで、、、
1時間、ずっと話していきました。
「ここでいいですよ。」
と言われた観光地の駐車場で、2人を降ろしました。
さようならと挨拶しようと車の外へ出た私の手の中に、
おばあさんは白いものを握らせました。
瞬間、お金だとわかり、すぐにおばあさんのポッケに
ねじ込みました。
「こんなこと!そんなつもりじゃないんです!
ついでですから!」
「そんなわけにはいかない。
本当に助かったから、ありがとう。」
と、おばあさんも譲らず、、、
私は逃げるように車に乗り込んだのですが、ドアが閉まる
瞬間、おばあさんはまるでお賽銭を投げ込むように、
ナイスピッチングで、運転席にお金を投げ入れました。
すかさず拾い上げた私は、また車を降りて、逃げる
おばあさんを追いかけ、「ダメ!ダメ!ダメ!」と
叫びながら、ポッケにねじ込みます。
逃げる私。
追う、おばあさん、、、
観光地の駐車場で、摩訶不思議なバトルを
繰り広げていたはずです。
それを何度か繰り返し、私の方が彼女のピッチングと
俊敏さに完敗。
お礼を言って、背中を見送りました。
本当に寒かったけど、おじいさんたちがいてくれて、
かえって心強かったと思います。
そしてこうして、あたたかな心遣いまでいただいて、、、
おじいさんの家はすぐにわかると思うので、今度
ガラスを持って訪ねようと、思いながら帰宅しました。
帰宅後、お父ちゃんに身振り手振りでバトルを再現し、
チェーンをつけた武勇伝を披露した私。
その余韻に浸っていると、お父ちゃんが
「それでさ、チェーンは前と後ろ、
どっちにつけたの?」と聞くので
「え~っと?うし、、、」
「前!
FFだから、前!前だよ!
今時FRなんてないよ!
ああ~コワ、また船原で事故るところだったかも。
他人乗せて、、、恐ろしい、、、」
「え~~だって、隣の軽貨物のお兄さんが
後ろにつけてたのを見たから、、、」
「貨物車はFRなの!
今時スポーツカーと貨物車でない限り、FRなんてないの!
FFって言うのは、、、、」
と、こんこんと車の動力や駆動について細かく
説明を受けて、説教食らった私です。
「今日の1番のブログネタはこれだな!」
と言われました、、、
笑えるオチがついたところで、この寒くて暖かいはなしは
これでおしまい。
とっても緊張して疲れたけど、
今はおじいさんたちのことを想っています。
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